自然
『釣りキチ三平』は、私の少年時代の愛読書のひとつ。作者・矢口高雄さんの生家のある増田町(現横手市)狙半内地区とは、私の家から直線で6キロほどで、言葉はもちろん、文化も生活習慣もほぼおなじ。尾根がふたつも立ちはだかっている都合で双方の交流は薄…
18日付『河北新報』一面にありましたです。ヤフーニュースから引用。 世界遺産 「最上川」登録断念も 山形知事 山形県の吉村美栄子知事は17日、世界遺産登録を目指して県民運動を展開してきた「最上川の文化的景観」について、登録を断念する可能性も含め…
あまりテレビを見ない私だが、たまたま点けていたNHKで「世界一周エコ大紀行」という番組が放送されていた。 「世界」ということは、日本国内の「エコ大紀行」ではないということになる。文字通り、画面にはグリーンランドの氷河が映し出されていた。 南…
今月4日ころのお話です。 H村へ写真を撮りに出かけたとき、通りかかった沢筋に、完成したばかりの砂防ダム(堰堤)が目に付きました。砂防・治山ダムとくればコンクリート製が当たり前ですが、その堰堤は、ほぼ全部が、木製なのでした。 12月1日の『朝日…
ラムサール条約で知られる宮城県伊豆沼へ行ったとき、たくさんのハクチョウやオナガガモが、人々からエサをもらっている光景に感嘆した記憶があります。 人馴れしたハクチョウたちは、私がエサのかっぱえびせんを持って歩くと、遠くから大喜びで飛んできてエ…
イタリアの文化財にマジックペンで落書きした日本人は、日本人に叩かれて職を失いました。しかしイタリアでは「わが国ではあり得ない」「なぜ落書きごときでクビに?」と、この奇妙な現象に首をかしげました。文化財に爆弾を仕掛け破壊する行為に比べれば、…
NACS−J日本自然保護協会が隔月間で出版している『自然保護』のバックナンバーを読んでいると、2003年9/10月号で、「野生動物とのトラブルを解決する」との特集が組まれていた。 ニホンザルやツキノワグマ、ハシブトガラスのほか、スズメバチ・セアカゴ…
きのう行ってきた。天気はまずまずだった。 疲れたけれど楽しかった。
あのフィールドへ行ってみた。もう10年以上になるだろうか、一番好きな野鳥ノジコと出会った場所だ。 この春は気温が高く、麓では桜はすでに散り、山間部のカタクリもおおむね終わり。さすがにそこはまだキクザキイチゲやカタクリが咲き誇っていて、遅い春を…
きのうの帰りが早かった。週末からいてもたってもいられなくなり、自宅へは寄らず、まっすぐに、あのフィールドへ。 満開だった。 夕方ちかい時刻だったので小鳥の声やギフチョウには逢えずじまいだったが、傾いた日差しに横から照らされる花々の数々は、一…
『八森町誌』(続編)を取り寄せる 「平成の大合併」で全国の市町村が3分の1に減ったのは3年ほど前だが、合併前の市町村はたいてい郷土史を編纂し、分厚い書籍にまとめていた。「○○町史」「○○村郷土史」などなど、大き目の図書館へ行けば、地元はもちろん…
秋田の八郎潟が、食料増産の国策の名のもと干拓されて半世紀になる。かつては琵琶湖を上回るほどの漁獲高を誇った汽水湖も、目的のよくわからない干拓の末にこじんまりとした湖に変わり果て、内水面においても、いまではブラックバスという外来魚の侵略をう…
4年ぶりの登山は20日に予定していたのだが、お盆の後半あたりから東北は天候が崩れだし、どんよりとした曇り空に大雨が襲い掛かるといった急変に見舞われたため、登山は延期を余儀なくされた。 私のお盆休みは決して短くはないが、いまはもう若いころのよう…
島根県の石見銀山がユネスコの世界遺産に登録されることが決まったとの報道で、わが秋田の白神山地が1993年に、日本で最初の世界遺産に登録されたときのことを思い出した。 秋田・青森にまたがる白神山地は、もともとただの深山。これといった高峰も秀峰もな…
捕虫網を買うなんて30年ぶりくらいだろうか。市内の玩具店で315円で買ったのは,竹の棒に針金を巻き,白いネットをくるんだシンプルなやつ。 昆虫にくわしい農学博士のN氏(故人)は,樹脂製の棒にごつい網を張った立派な捕虫網をいつも持ち歩いてフィール…
所用の帰路,ふと思い立って峠にある沼へ立ち寄ってみることにした。学生時代から通学でその沼のそばを毎日のように自転車で往来していたが,沼にどんな生き物がいるか,これまでろくに調べたことはない。ヌマエビがいればけっこう役に立つかもしれないし。 …
もう5年くらい疎遠になっていたフィールドへ出かけた。 地元なので以前はいまごろとなれば毎日のように通いつめ,小鳥や動物との出会いが楽しかったところ。なのにここ数年はすっかり遠ざかってしまった。これといって開発(破壊)の犠牲になりうる場所では…
「千の風になって」ではないが,ここ数日は小鳥が起こしてくれる。夜明けとともに隣家の庭でさえずっているのはハクセキレイだ。「ツィツィツィツィー! 早く起きなさーい!」とね。 ちょっと前に書いたヤブサメうんぬんはハクセキレイの間違い。あの冴え渡…
4月半ばになって小鳥たちが春を謳うようになってきた。きのう,あたらしいデジカメで草花を撮影に行ったとき,ウグイスやホオジロ・コガラが甘えた声で鳴いていた。 水辺に咲いたキクザキイチゲの写真を撮りたくて,毎年いくフィールドへと,乾いた草木の匂…
4月後半になると毎年必ず訪れる場所がある。 あまり深くない谷間の,小さな沢が流れている小道を行くと,わずかに鉱泉が湧いているところへたどり着く。かすかなイオウの香りがあり,昔は集落のひとが汲んで持ち帰り,風呂にいれたり皮膚病の治療薬代わりに…
多忙なためめっきり行かなくなったけれど,私のフィールドにもクマタカがいて,運がよければ,あの勇姿に見とれることができた。 クマタカは大きさがトビとほぼ同じだが,尾羽の形と翼の後縁部が膨らんでいる特徴から,比較的容易に判別できる。ブナ原生林の…
岩手へつづく国道107号がとにかくまぶしく,まともに目を開けていられなかった。紫外線を遮断するメガネをかけてはいたが,色のほとんどないプラスチックレンズなので光線がモロ,視界に飛び込んでくる。積もったばかりの周囲の雪や,濡れた道路からの照り返…
大船渡にオフィスがあったころ,泊まっていたオフィス内の宿舎にて,早朝,聞いたことのない野鳥の声で目が覚めた。すばらしい声だった。山野で小鳥のさえずりを聴きなれて,たいていの種類の野鳥の声は判別できる自信があるが,その声は初耳だった。声の正…
「びんずいノート」の『びんずい』とは小鳥の名前です。亜高山に生息する夏鳥で,私の近場では栗駒山にて5月下旬あたりから見かけます。とてもよく冴え渡る声で鳴き,さえずりに「ツィーツィーツィー」とテンポを入れるのが特徴。セキレイの仲間なので脚を…