ブラックバス定着の悲劇

 クニマスについて書いたエントリに、めずらしく反響がありました。コメントくださった方々へお礼申し上げるとともに、拙文を何度か読み返してみて、いくつか加筆・削除・訂正すべき必要も感じましたが、もともと閲覧者の稀な拙ブログ、この際だから一切手を加えず、そのままにしておきます。

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 サカナについてせっかくだからもう一話。きのう正業の帰りに、市民公園の片隅にあるため池に立ち寄った。おととしブラックバスが勝手に放流され、タニシやザリガニが消えうせたせまい池である。

 トンボは飛んでいた。コシアキトンボとオオルリボシヤンマモノサシトンボを確認した。羽虫ではアメンボ・ミズスマシもいた。もしかしたらブラックバスは定着せず、2冬を越せぬまま絶えたのかな?としばらく観察をつづけていたが、残念ながらヤツらの稚魚と親魚がいた。定着してしまったらしい。

 ザリガニもタニシも復活した様子は無し。でも昆虫類はかろうじて根絶やしを逃れているようだ。他の水域からきているのかもしれないが。この周辺は山間ながら田んぼもあり、ため池はほかにもあるから。

 薄気味悪い外来魚を勝手に放す犯罪行為をぬけぬけとやらかす環境テロリストが、わが郷里にもいることが悔しくてならない。そういえば矢口高雄さんもブラックバス礼賛漫画を描いていた。『バスボーイQ』だっけか、あれをみて「なーんだ、ブラックバス釣りを楽しんでもいいんだ、バスを拡めてもいいんだw」と思いこんで実行する奴がいても不思議ではない。

 あるホームページから一文を拝借しよう。

矢口高雄氏軽蔑宣言!
●漫画家矢口高雄氏がついにバス・フィッシング漫画を描きました。先日、書店の漫画雑誌コーナーにそれを見つけて愕然としました。最近の矢口氏の発言のバス・フィッシング容認姿勢に危惧を抱いていたところでした。「ボクの学校は山と川」「ボクの先生は山と川」のエッセイや、日本の自然と人とを描いた漫画作品の大ファンであった私は、なにか裏切られたような気がしました。バス・フィッシングは環境テロです。子供たちにそれをそそのかす立場に立ってしまった矢口氏に対して私がこれまで抱いてきた敬愛の念は失せてしまいました。これからは、糸井重里清水国明などと同様に軽蔑の対象となってしまいました。誠に残念です。
http://www.geocities.jp/masaketei/hundo-shi/bus.htm

 なんということか。名の知れた漫画家が人気取りに走り、環境テロ行為の片棒を担ぐという悲劇に、漫画をみてバスのゲリラ放流者が増殖し、各地の湖沼の内水面が地獄絵と化す悲劇。断腸の思いで、矢口さんが招いた複数の悲劇を後世に伝え残すとしよう。

 さいわいというか、ここは狭い水域である。水をぬいて魚を分離することは難しくない。杉山客員教授は県内各地でバス駆除活動に汗を流している。いつか機会をとらえ、市にバス駆除を申し立て、郷土にふさわしくない外来生物の一掃をお願いしたい。