早く起きなさーい!
「千の風になって」ではないが,ここ数日は小鳥が起こしてくれる。夜明けとともに隣家の庭でさえずっているのはハクセキレイだ。「ツィツィツィツィー! 早く起きなさーい!」とね。
ちょっと前に書いたヤブサメうんぬんはハクセキレイの間違い。あの冴え渡る声が,窓の外,すぐそばで響いているのだ。あまり早起きは得意ではないのでちょっぴり迷惑なところもあるけれど,春を迎えた喜びは小鳥たちだって味わいたいだろうし,その喜びを私は分けてもらっているのだから。
去年みつけてすっかり気に入ったフィールドへ写真撮影の下見に行ってきた。きょうは天気もまあまあなので,キクザキイチゲやカタクリの開花もうながされよう。もしかしたら限定的ながら,すでに花畑が出来上がっているかもしれない。
やはりまだ早かった。一部ではもう花が開いていたけれど,お花畑にはいたっていない。しおらしいイチゲやカタクリが春風に揺れていただけ。写真も何枚か撮ったものの貼り付けるほどじゃないな。
以前からのフィールドにも行ってみた。こちらも開花状況は微妙だったが,小鳥の声がもうたくさん。
いきなりサシバが鳴いていたのに驚かされた。カラスにいじめられているようだ。同時にあそこでは聴いたことのないクロツグミ?と思われる甲高い声が響き,コガラ・シジュウカラ・ホオジロ・コゲラとつづく。クロツグミと思ったのはカケスの物まねだったり。
いずれもあそこではありふれた野鳥だが,小鳥たちにとって一年でもっとも生命の躍動感あふれる春なだけに,さえずりはもう充実しまくり。目を閉じて聴き入ると,あの幾何学的な音が小鳥同士の会話となって,私の頭の中でつぎつぎに日本語に変換されてゆく。
春の楽しみ,ことしも。