野鳥の名前

「びんずいノート」の『びんずい』とは小鳥の名前です。亜高山に生息する夏鳥で,私の近場では栗駒山にて5月下旬あたりから見かけます。とてもよく冴え渡る声で鳴き,さえずりに「ツィーツィーツィー」とテンポを入れるのが特徴。セキレイの仲間なので脚を交互にスタスタと歩くのも目印になります。姿を観察することもそんなに難しくありません。

夏によく出かける須川温泉近隣を散策すると,たいていビンズイの鳴き声を聴きます。声を頼りに近づくと,ケルンや岩のてっぺんに留まって夏を高らかに謡う姿。双眼鏡を離して裸眼で,周囲の自然に溶けこんで謡いつづける小さな鳥の,たくましくも健気な姿はいつも勇気付けられます。

そのビンズイに,ここ2〜3年めぐり会えていません。夏鳥なので冬には南方や大陸に帰っていきますが,渡りの途中なのか,一度ふもとの車道にて死んでいる個体を見たこともありました。車に轢かれたのでしょう。

来年,また夏になったら須川温泉へ出かけ,かわいらしいビンズイを見たいものです。