郷土

英雄の名は自然に帰す

5月25日の日記で私はこう書いた。 岩手がうらやましいな。だれもが誇りに思える偉大な先人がいて,それが近世の政治家とか軍人とか学者とかスポーツ選手ではなく,遠いはるかな昔の,古代東北の先住民・蝦夷のひとりだったなんて。秋田にはいないのかね,ア…

八峰町の白神山地はスギ植林地

島根県の石見銀山がユネスコの世界遺産に登録されることが決まったとの報道で、わが秋田の白神山地が1993年に、日本で最初の世界遺産に登録されたときのことを思い出した。 秋田・青森にまたがる白神山地は、もともとただの深山。これといった高峰も秀峰もな…

わが祖先の血と涙

坂上田村麻呂の墓が発見されたというニュースを複雑な思いで見ました。京都府山科区西野山岩ケ谷町の「西野山古墓(こぼ)」だという。文献を調査した京大の准教授が断定したそうです。 ニュースはこういう書き出し。「平安時代初期の征夷大将軍」。征夷の「…

「つくる会」のカラスたち

5月10日に書いたやつの続編です。まず再掲。 まあ6年前のお話ですが,後三年の合戦後の義家の描き方からして,産経子飼いの「新しい歴史教科書をつくる会」て,知能の程度が中学生並みというか,烏合の衆かと思いたくなります。いや東北をなめてるんでした…

『大和朝廷を震撼させた蝦夷・アテルイの戦い』つづき

本書の著者・久慈力さんは,もちろん私は面識ないが,実は私が過去にルポを書かせてもらった某週刊誌の準レギュラー執筆者であった。最近見かけないけれど東北ローカル・岩手の抱える問題をいくつか報告されたりと,その姿勢や精力的な記事は私にとっても大…

『大和朝廷を震撼させた蝦夷・アテルイの戦い』を読んで

高橋克彦の『火怨』につづく読書の対象にえらんだのは久慈力著『大和朝廷を震撼させた蝦夷・アテルイの戦い』(批評社)である。帯に「自然とともに共生社会に生き,自然と人間を征服しようとする大和朝廷と戦ったエミシやアテルイの生き方に学ぶ,格好の入…

高橋克彦著『火怨』を読んで

いまさら言ってもしょうがないけれど,もっと早くに読むべきだったとあらためて思った。高橋克彦著『火怨 北の耀星アテルイ』(上下巻=講談社文庫)。古代東北の先住民・蝦夷(えみし)の英雄アテルイ(阿弖流為)とモレ(母礼)の生涯を,壮大なスケールで…

東北をなめている「新しい歴史教科書」

やや古いけれど,『岩手日報』2001年6月30日付に富士大学の川島茂裕助教授(当時)が,「蝦夷を悪者扱い」と題して,某社発行の歴史教科書が,古代東北の先住民・蝦夷(えみし)の描き方を「悪者扱い」していることを指摘していました。 もう6年も前のコラ…

安倍宗任に関する覚書

いま読んでいる金野靜一著『新・みちのく物語 ――前九年・延久・後三年合戦――』(盛岡タイムス社)より,私がこのブログでたびたび挙げてきた安倍宗任(安倍貞任の弟。安倍首相の祖先といわれている)について,ここで覚書をしておく必要が出てきた。 本書「…

秋田県がとんでもないことになっているそうです

ライブドアニュース?とかいうウェブニュースで載っていたやつです。わが郷土「秋田県がとんでもないことになっている」というとんでもない書き出しで始まる問題の記事を全文貼り付けちゃうぞ。 http://news.livedoor.com/article/detail/3130097/ 秋田県が…

岩手の知事になるひと

いまいる岩手県の知事選挙がきょう告示されました。候補者は5名。なんかこんな乱立は60年ぶりとか?顔ぶれがまた興味深いです。以下に挙げてみましょう(届け出順)。●達増拓也 ●芦名鉄雄 ●菅野恒信 ●柳村純一 ●ザ・グレート・サスケです。知事といえば,全…

奥州平泉

1062(康平5)年9月17日,藤原経清は,頭目の安倍貞任とともに源頼義に捕らえられ,斬首の刑に処された。貞任の弟・重任も同様。平安の東北・岩手で起こった前九年の役(1051―63)の終焉であり,安倍氏滅亡の瞬間である。経清には息子がいた。清衝(きよひ…

菅江真澄の足跡

江戸時代の紀行家・菅江真澄が歩いた秋田県内の名勝等の写真コンテストがあるというので,ぜひ応募しようと思い,企画元からパンフレットを取り寄せたら,私が狙っていた某景勝地は外されていた。なんで外すんだよ…。主催はある文化関連の会だが,共催が建設…

後三年の役(合戦)

前九年の役では安倍家が滅亡し,後三年の役では清原家が滅亡。どちらも東北を起源とする蝦夷。古代東北の先住民・蝦夷(えみし)であり,北東北を席巻した豪族・清原氏の興亡でしられる後三年の役(合戦)。大和朝廷の周到で狡猾な陥穽が仕掛けられ,蝦夷同…

愛国心?

教育基本法の改正(改悪)論議が佳境にはいっている。「愛国心」という言葉を入れるか入れないかとか,「(国や郷土を)愛する」という言葉に治すとか,「大切にする」にとどめるとか,といった具合だ。愛国心ね…。 「愛国主義は,ならず者の最後の拠りどこ…

安倍晋三サン万歳!

盛岡のネットカフェです。ここに来る前にコンビニに立ち寄って『週刊現代』を求め,それを手元においてノートを書いています。『現代』のスクープ「決定的写真だ! 『ポスト小泉』No.1議員の二枚舌交渉を暴く! 安倍晋三『北朝鮮との裏外交』」(同紙表紙見…