『さきがけ』紙にボツにされた投書また

 去年の秋に地元紙『秋田魁新報』へ投書し、体よくボツにされた投書を、ここに紹介します。テーマは成瀬ダムでして、この件で弾かれたのはこれで3件目。1と2は昨年11月1日のエントリにあります。

ボツにされた投書3

 群馬県の八ツ場ダムで、前原国交大臣に地元が反発するさまは、私たちにとっても他人事ではない。
 東成瀬村に建設が進む「成瀬ダム」だ。費用対効果でみると、成瀬ダムの必要性は八ツ場ダムの半分もない。それはイヌワシクマタカの舞う自然の只中に造られるのだ。
 国交省は全国143のダム事業について見直しを進める方針を打ち出している。村はあくまで成瀬ダムを推進しているが、豊かな自然をつぶしてまで造る必要があるだろうか。村はダム工事による収入や交付税を当てこんでいるのだろうが、自然を壊して収入を得るなんて悲しいことである。
 東成瀬村はここいらで気持ちを切り替え、ダム推進の旗印を取り下げてほしい。そして「国交省の方針を受け入れる」と表明してほしい。そうすれば事実上、ダムを拒否した村となり、全国から喝采を浴びるだろう。NPO「日本で最も美しい村」への加盟は喜ばしいけれど、ダムを推進する姿勢と両立できるか疑問でもある。ダムを拒否してこそ「美しい村」と言えるのではないか。
 不遜ながら、私は一九九八年三月一二日の本欄で、あの「青秋林道」にからめて、工事断行を主張した旧八森町のような醜態を、東成瀬村はさらさないでほしいと訴えた。残念ながら村は私の懸念どおりになってしまったが、いまからでも間に合う。東成瀬村は、自然を残す道へ方針転換すべきである。
(2009年9月29日投稿)

 記事にもありますが、さきがけ紙投書欄は、初期のころは、けっこうダムを取りあげてくださったんです。でも、ここ10年は完全無視というか却下というか。

 やっぱり1000億単位のカネが動く巨大事業となると、社の空気を支配する大企業・土建業界寄りの論理が働くのでしょう。マスメディアといえども商売だし、記者さんたちもサラリーマンだし、企業からお金をもらって給料をもらっている以上は、広告主の意に反するような投稿はボツにしたくなるのはわかります。わたしがデスクでも掲載は見送るかもしれません。

 とまあ、聞いたふうな口でメディア批判を繰り広げるのはこれくらいにして……。

 体調が思わしくないです。雪が降る前にフィールドへ行きたいのですが。

 それにくわえて、いま正業が厳しい。心身やすまる暇がありません。

 のんびりしたいです。