ブラックバス確認

コシアキトンボ


 やはりな、と思った。こないだ山椒の実を採った沼地に、釣り具が遺棄されているのをみて感じた嫌な予感が、的中した。

 水面を悠々と泳ぐのは、紛れもないブラックバス。それもかなり大きい。尺はゆうに超えている。おそらく親魚として放流された個体に違いない。ほかにも数匹、コイに混じって泳いでいた。

 2007年6月25日同26日に書いた沼。釣り場ではないし、どんな生き物がいるのか、数年前まで知らなかった。ザリガニがいることをさえも。

 せまい沼だが、山地にあるから、トンボなどの繁殖には大助かりだったろう。周辺の田んぼも、耕作されなくなって10年以上になるだけになおさら。

 そこが、ブラックバスに浸食されてしまった。

 トンボの幼虫のヤゴは、バスの餌食となる。オオルリボシヤンマも、こないだ見かけたコシアキトンボも。

 たくさんいたアメリカザリガニは、うかがう範囲では確認できなかった。ザリガニも移入種・外来種だが、バスの餌になりうる。あれだけいたタニシもミズスマシも消えた。昆虫はもとより、貝類すら奴らは食べる。ミズスマシやタガメゲンゴロウなどの水生昆虫をたいらげ、タニシを食いつくし、ザリガニも標的になった可能性が高い。

 ブラックバスを密放流した環境テロリストの仕業で、生態系が破壊されてしまった。