イルカ漁のこと

 3月15日にマグロ漁にからめた「築地関係者への苦言」とのエントリー書いたら、ブックマークが25件もついて驚いた。

 ほとんど独りよがりで自由きままに書いてるブログだから、反応はめったになく、ブクマなんてまずないし、あっても1〜2件、これまで7件くらいが最高だったので。

 ブクマコメントもおおむね好意的で、こういう視点があったのかと感心された方が多かったもよう。感謝いたします。

 マグロ漁は、もはやクジラと並んで海外での漁業をめぐるあつれきの筆頭。

 ところがさいきんは海外でもない、日本国内のイルカ漁が叩かれていますね。

 イルカに関しては30年前、1980年2月に長崎で、ブリの漁場を荒らすイルカ群を捕獲したところ、アメリカの動物愛護団体がロープを切断して逮捕される騒ぎがあった。

 そのときの新聞ルポ(1980年5月2日朝日新聞夕刊=本多勝一著『日本環境報告』所収)を読むと、彼らアメリカ人の言い分――イルカを保護すべき理由というものが、今回の和歌山県太地町のイルカ騒動と、まったく変わらないのに感心させられました。

 「イルカは知能が高い動物だから」

 そうですか(イルカ肉は水銀で汚染されているから危険だとも)。

 賢い生き物は大切にされるべきってことなんでしょうが、ここ30年も、その大義が褪せることなく受け継がれてきたんですねー。

 個人的にはイルカもクジラも漁を廃止しちゃって構わない。だって私、食べないし。マグロは食えなくなると困るけれど。

 でもイルカ漁って、かなり古い漁法。日本のごく一部とはいえ、食文化としても受け継がれてきたわけですから、海外の圧力に対して国内の反応は、やっぱ反発が多いようです。当たり前です。

 これに関しては、たくさんの同胞たちが書いてるし言ってるし、ほとんど同感です。

 でもひとつだけ書いておくと、言葉にせよ価値観にせよ食べ物にせよ、アメリカやヨーロッパといった、先進欧米諸国の文化を無批判に受け入れてきた日本が、クジラやイルカごときで血相かえて叩いてくるアチラさんに、慌てて「日本の文化」を叫ぶのって、どこか滑稽。

 「私タチノ言葉ヤ生活ヲ模倣スルナラ、くじらヤいるかヲ保護シナサーイ!」

 「えっ…日本には日本の」

 「黙リナサーイ!」

 やや突飛かもですが、なんかこういう笑える光景が目に浮かぶんです。

 イルカ漁がクローズアップされるきっかけは「ザ・コーヴ」という映画がアメリカのアカデミー賞を受賞したこと。これは痛快です。アメリカ映画をホイホイ輸入してきて、いいなーいいなーボクにも米アカデミー賞くれないかなーとヨダレ垂らしてきた日本が、日本を批判するアメリカ映画の受賞に色を失うってのがね。

 ハリポタもアバターアメリカ映画です。コーヴもアメリカ映画です。メイド・イン・アメリカの映画がお好きなら、コーヴも普通に好きになってみては?