「泡のチカラ」は「臭いのチカラ」

 あえて「自然」カテゴリで。

 ライオンの食器用洗剤「泡のチカラ」で食器を洗うと、どんなにすすいでも臭いが取れないのだ(「匂い」とは書かない)。

 泡が切れ、ぬめりも抜けたし、あとは水気をふき取って収納する。で、翌日になって料理を盛り付けると、前夜の洗剤の臭いが残っているのだ。

 おかしいな、すすぎが足りなかったのかな、とずっと前から気づいたが、おかずを口に運ぶたびに気になってきた。

 それでこんどこそと念入りに泡を流し、ぬるま湯でしつこくすすぐが、どうしたって臭いが取れない!

 とくにひどいのはフライパン。ベーコンを炒めて目玉焼き、いわゆるハムエッグをよくつくるが、目玉焼きが洗剤の香りつきになってしまうのだ。あんなにすすいだのに。

 ちょっとしらべたら、臭いがとれないのは、どうも食器の表面についた細かいキズに洗剤が入り込み、臭いを発するためらしい。新品の食器ならOKってか。素手で洗うので、手の表面も指紋やらでデコボコ状態、その隙間に香料が入り込んで、いまも手に洗剤の臭いがしている。なによりこの商品は、「臭い」(くさい)ことでも有名らしい。

 手につく臭いを回避するならゴム手袋を着用せよってことだろうが、食器の表面の微小なキズは対処できないだろう。となると、さらにいっそう、水で流すしかないことになる。

 少ない量でたくさんの泡が立つというのが「泡のチカラ」の売り物らしい。それはいいと思う。しかしコイツは厄介なことに泡切れが悪い。泡をすすぎ落とすには大量の水を消費するし、なにより臭いの残るのが困る。臭いを完全に解消すべく、これまた流水を投じるのでは、どこがエコ商品なのかと思ってしまう。

 数年前にうちの田舎も下水道が共用され、洗剤が河川にダイレクトに流れることはなくなった(ただし一部地域だけ。大多数は生活廃水はそのまま川へ直行している)。水を大切に、洗剤を少なめに、という時代の流れに「泡のチカラ」は、沿っているようで逆らっていたりする。

 それにしたってこの臭い…。これじ100円均一の洗剤のほうがはるかにマシだわ。

 というわけでライオンさん、少ない量で食器洗いをすませるなら、洗剤だけじゃなく水も少量で対応できる商品開発をお願いします。

 なにより臭いをなんとかしてください。臭いを。前の晩洗ったフライパンから臭いが取れないんですよ。朝食のハムエッグが台無しなんですよ。