ウチは世界遺産にならないの?

 「平泉」世界遺産登録“再挑戦”について、あらたな動きがありました。構成資産数の維持か削減か追加かで協議されていたのが、結局、絞り込み=削減という方向が示されたようです。

構成資産絞り込みへ 「平泉」世界遺産
 2011年の世界遺産登録を目指す「平泉の文化遺産」の第3回推薦書作成委員会(委員長・工藤雅樹福島大名誉教授)は23日、東京都内で開かれ、「平泉」を構成する9資産について、「見直すべきだ」との意見を集約した。来年9月には世界遺産センターへの暫定推薦書提出を控えており、資産を増やすのは時間的に困難。資産の数を絞り込むことになり、新たな資産構成に注目が集まりそうだ。
 「平泉」の主題設定について文化庁は、これまでの議論を踏まえて?「政治・行政上の拠点」と「浄土世界」の2つの柱?「浄土世界」を現世に象徴的に表現した作品群―とする2案を提示。委員からは?案を支持する意見が多かった。
 ?案の資産構成について文化庁は、9資産を維持する案と、構成資産を見直す案の2つを示した。現在の資産構成を保つとの意見もあったが、国際記念物遺跡会議(イコモス)の指摘を受けて、資産を絞り込む方向をおおむね了承。文化庁案は「十二世紀の『政治・行政上の拠点』としての時代的同一性、仏教思想との関連性の観点から、構成資産の見直しを行う」としており、具体的な資産構成については今後詰める。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081224_3

 これでやっと、3年後へむけて足場が固まったということでしょうか。どの「資産」を構成資産の中から除くのか、これから詰めるとのことですが、記事の印象としては一関市の骨寺村荘園遺跡が削られそう。奥州市の長者ヶ原廃寺跡も危ないような気がします。

 世界遺産ブームで平泉町内のみならず、わが市の史跡も是非と候補に名乗り出られた結果、知名度の薄い、よくわからない史跡遺跡まで、構成資産に組み込まれたものでしたっけ。そのせいというわけではないでしょうが、この夏のユネスコ世界遺産会議で平泉は、落選の憂き目を味わわされました。推薦書作成委は、構成資産9つという数は、やはり多すぎるとの意見で一致したのでしょう。

 各遺産をかかえる自治体は、必死で追い求めた「世界遺産」のブランドを取り逃がすにしても、恨みっこなしで見守ってもらいたいところです。