賞味期限の切れた話題ふたつ

NHK番組改変訴訟:市民団体側の敗訴が確定…最高裁判決
 戦時下の性暴力に関するNHK番組の取材に協力した市民団体が「事前説明と異なる番組内容に改変された」として、NHKと制作会社2社に1000万円の賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は12日、「取材対象者の番組内容への期待や信頼は原則として法的保護の対象にならない」との初判断を示した。その上でNHK側に200万円の支払いを命じた2審・東京高裁判決(07年1月)を破棄し、請求を棄却した。団体側の逆転敗訴が確定した。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080612k0000e040087000c.html

 この裁判にからんで、過去の拙文の一部を再掲します。

 (前略)控訴審判決は一審よりも踏み込んだ判決となっている。だから裁判長は叩かれるだろう。誇り高き日本皇軍の,ありもしない性暴力を糾弾する団体を勝たせるとはなにごとか,と。なんの拘束力もない裁判ショーで天皇の責任を問うなんて非常識にもほどがあるというわけだ。

 NHK側は無論上告するだろう。私もぜひ上告してほしいと思う。最高裁の判断を知りたいから。

 おそらく原告逆転敗訴になるだろう。
http://d.hatena.ne.jp/binzui/20070129#1170067719

 2007年1月29日の日記です。太字の「おそらく原告逆転敗訴になるだろう」が、ものの見事に的中しましたので、記念かきこ。裁判官5人中4人の判断だそうです。自民党政権が任命した裁判官だけのことはあります。
 もういっこ。これは比較的あたらしいかな。

鳩山法相:朝日新聞の「死に神」報道不快感
 鳩山邦夫法相は20日の閣議後会見で、連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤死刑囚ら3人の死刑執行について法相を「死に神」と表現した朝日新聞の報道に「執行された方々に対する侮辱。彼らは死に神に連れて行かれたのとは違う」と不快感を示した。
http://mainichi.jp/select/today/news/20080620k0000e040060000c.html

 先日、法務省の現役最高責任者が殺害を命じた死刑囚の数が10人と二ケタに乗りました。合法ながら一人の人物による殺人の“被害者数”としては、まれに見る多さに達した鳩山邦夫法務大臣が、『朝日新聞』夕刊コラム素粒子(統合版には載らない)に「新記録達成」「死に神」と風刺されたことに対する怒りの会見だそうです。

 で、その続報が↓

抗議:朝日コラムの「死に神」に1800件
 死刑執行の件数をめぐり、朝日新聞夕刊1面のコラム「素粒子」(18日)が、鳩山法相を「死に神」と表現した問題で、朝日新聞社に約1800件の抗議や意見が寄せられていたことが分かった。
http://mainichi.jp/select/today/news/20080622k0000m040116000c.html

 例によって「朝日叩き」のネタになっていました。昨夜の日本テレビ夕方の娯楽番組「バンキシャ」では、出演者氏が「侮辱罪にあたる」「どこの国の新聞でしょうか」と、多くの国民を代弁していました。

 世界の趨勢がどうであろうと、日本で死刑制度は多数の国民の支持を集めています。その意識が不動であり、日本における死刑制度が今後も安泰であることが証明されました。昨年12月に死刑執行停止を初採択した国連や、アムネスティ・インターナショナルの努力が、わが祖国において実を結ぶ日はまだ遠そうであります。