草思社まで事実上の倒産

 またもや出版社倒産のニュース。草思社と聞いて「ええー」と思った。お堅い内容の本にわかりやすいネーミングをし、読者の購買意欲をそそっていた中堅出版社だ。

草思社民事再生法を申請 負債22億円 ―― ベストセラー数々出版

 「声に出して読みたい日本語」(斎藤孝著)シリーズなどで知られる中堅出版社の「草思社」(木谷東男(はるお)社長、東京都文京区)が9日、東京地裁民事再生法の適用を申請、事実上倒産した。負債総額は22億4789万円。数々のベストセラーを出したものの、ここ数年は業績が悪化し、自力での再建を断念した。すでに出版社数社が支援を表明しており、営業は継続するという。出版界では自費出版大手の新風舎が7日に破綻(はたん)したばかり。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080110ddm012020009000c.html

 私の貧相な書棚にはこの出版社の本は一冊もないけれど、尊敬する先輩ジャーナリストがここから本を出していて、私も3年前にNの件で版元を探しているとき、「草思社に原稿を送ってみたら?」と先輩に勧められたことがあった。

 先輩の勧めで草思社の書籍をリサーチしてみたが、ここの本は私の見解とは差があるのが多く、それ以前に、私が出そうとしていた自然環境関連の書籍がほとんど見られないところから、原稿送付は無駄だと早々に諦めたのだった。事情に詳しい編集者がいないところでは、私の原稿はハナから相手にしてもらえないと思っていたから。事情に詳しい版元からさえ、3社も断られたし。

 先の新風舎倒産は半ば当然と思っていたところ、草思社民事再生法適用申請。ここの本は買ったことがないから倒産してもとくに感慨はないが、出版業界の不況はホンモノなのだなと思い知らされた出来事である。

 おととし私の本を出してくれたK社は大丈夫だろうか…年賀状は届いたけれど。