参院選・自民大敗と

 売上税導入の可否を問う統一地方選自民党が大敗したのはたしか1987年。あちこちの補選でも自民党が敗れ、売上税を導入する法案は廃案になったんでした。

 その後自民党は、あの消費税の導入をもくろみ、売上税騒動に劣らぬ非難を浴びつつも法案採決を強行し、ついにわが祖国に、史上初となる大型間接税が不吉な産声を上げたのです。1988年のこと。

 その直後の1989年参院選で、自民党は記録的な大敗を喫します。勝ったのは、いまは亡き社会党。あのときの新聞報道では、朝日新聞などは「地すべり的大敗」とかの大見出しだった記憶があります。当時はリクルート疑惑というのもありましたっけね。

 つづいて行われた衆院選挙で、自民以外の野党は消費税廃案を公約に戦いましたが、自民党過半数割れに追い込むことはならず。昔語りとなった中選挙区制時代の一コマです。

 さて、きょう投票が行われた参院選挙で、いままさに開票作業が佳境にあります。出口調査では自民大敗、公明も後退。野党はというと民主が躍進という結果で、続々打ち出される当確も民主候補が群を抜いていますねー。他の野党はジリ貧らしい。

 というわけで民主党の独り勝ちですか。

 個人的に民主党という政党は好きではない(というか好きな政党は、なし)。でも自民やいまの公明よりはマシでしょうか。期日前投票で入れた候補者や政党は民主ではないけれど。

 安倍サンが首相になって初の大型国政選挙。先に書いた1989年の参院選と似た展開ではあるけれど、消費税という、国民生活に直結するテーマや、リクルート疑惑などの政治倫理が問われた18年前と比べ、今回の参院選で主題になってるテーマって? 年金? 憲法? それともやっぱ政治倫理?

 北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)の拉致問題で、国民の熱狂的な支持をあつめた安倍晋三サン。選挙結果はいまの時点でまだ明らかではないけれど、大敗はほぼ確定でしょう。

 では、いったいなぜ負けたのか?

 ここまで厳しい審判を浴びなければならない失態を、安倍サンや内閣や政府が犯しましたか? あの異常ともいえる狂信的な安倍ブームは、いったいなんだったのでしょうね。

 国民が熱病から覚めただけか。政治は三流、経済は一流のわが祖国。もともと天邪鬼で移り気の激しい日和見っぽい日本国民。ま、ブームが去ったのは確かでしょうが、ブームの主役が民主に行ってるだけなら、となれば民主ブームもいつかは終わります。

 選挙を戦った各政党・候補者のみなさん、お疲れさまでした。