安田弁護士を擁護する

 またまたうっかり朝のワイドショー番組を見てしまい,その中で有名な弁護士が叩かれていたのでこうして書いてしまうあたい…。

 安田好弘さんという弁護士がいます。かのオウム麻原被告の元主任弁護士で,死刑制度反対の急先鋒に立って活動されている筋金入りの人権派です。

 そのひとが,ある少年犯罪の加害者の弁護人を努めていることをきのうまで知りませんでしたが,きのう行われるはずだった上告審の弁論に,日弁連の会合のリハーサルのため出席しなかったとかで,番組で批判されていました。つまり悪者扱い。

 重罪を犯した元少年の二審無期懲役判決が覆されるかもしれないという重要な弁論(双方の意見を聞く)に出てこないとはけしからん,日弁連の活動よりもこちらを優先させるべきだ,というわけです。

 安田さんとはどういう弁護士かといいますと,実は逮捕歴があります。かの旧住宅金融専門会社住専)の不良債権処理問題で,子飼い弁護士たちが国家の走狗となって動かしていた住宅金融債権管理機構(住管機構)にとって目の上のタンコブだったのですね。税金を使って穴埋めしようとしていた不良債権処理問題に,頭でっかちの人権派弁護士がしゃしゃり出てきてさあ困った。

 安田弁護士の容疑というのは、旧住宅金融専門会社「日本住宅金融」と「住総」の大口融資先である不動産販売会社「スンーズコーボレーション東京リミテッド」が所有するビルの賃料をダミー会社に移して隠したとされる強制執行妨害容疑事件で、彼がそれを指示していたということだった。
http://www.zorro-me.com/miyazaki4/yasuda/bkgr_ysd.html

 くそむかつく弁護士はなんでもいいから封じ込めちまえ,という国家警察のいつもの手法です。こないだマンションにチラシ配っただけで3ヵ月も拘留した事件がありましたが,Yさんは9ヶ月でした。もちろん無罪でした。でも日本てそういう国なんです☆

 さてワイドショー。被害者のスナップ写真をいちいち織り交ぜて,怒りに震える遺族の訴えをがんがん飛ばして視聴者の同情を買う。そして怒りの標的は被告の少年と安田さんに据えると。

 安田さんが過去に麻原の弁護士を努めたとか,死刑反対を訴えているとか,どちらかといえばマイナスのイメージを視聴者に刷り込むわけね。かつて国民の税金を投入するか否かでもめた住専,国民の多数が「税金を使うべきでない」という世論で,それを支援すべく活動していたところ,国家の不当な弾圧に遭ったことはシカトですっけ。

 アムネスティ・インターナショナルは,日本の死刑制度にいくつもの欠陥があることを指摘しています。ジュネーブ自由権規約委員会審査にて日本政府は恥をかかされたのです。笑えるエピソードですね。でも日本てそういう国なんですってば☆☆ http://secure.amnesty.or.jp/campaign/japan_hrc.html
この下地には安田さんの活動がありました。

 私もいちおう死刑制度には反対なんです。理由は,冤罪であったらとり返しがつかないから。もっとも死刑制度は日本においてしっかり存在していますから,死刑制度賛成派がいまのところ勝ち組なわけですね。

 あーあ書いちまった。以上,いつものバランス的一文。夕方から出張っす。