仙台へ

 活動もろもろのため、仙台へ急きょ行くことに。

 雄勝町の道の駅で待ち合わせ、メンバー2名と合流する。んでメンバーの車で国道108号を宮城方面へ走る。

 秋の宮から鬼首峠へ。ここも栗駒国定公園だが、整備された道路がブナ原生林と役内川源流を縫うように伸びている。

 かつて川井ダムというダム建設の危機にさらされた役内川だが、さいわい今のところは清流を保っている。ただし源流といっても、流域はお馴染みの植林スギだらけ。国定公園といえども、秋田の森はどこもたいていこういう有り様だ。まもなく紅葉が映える季節なのに、朱・黄色に燃えあがる山を、無粋なスギが黒々と汚してくれる。スギ人工林が一年で最も醜く目立つ時期である。

 「秋田の森は黒い」――そんな評判がささやかれるのは、過去の拡大人工造林計画で、奥山のブナ・ミズナラを伐採し、スギ・カラマツを植えた結果である。しかしいまもなお観光客をガッカリさせる“黒い森”は、相変わらず放置されたままなのだ。

 さて鳴子を過ぎ、大崎市に出て高速道路へ。昼前には仙台入りした。

 仙台の東北地方整備局に到着したときも、まだ正午にはなっていなかった。

 時間調整と昼食を兼ねて、そばの喫茶店へ。

 パスタを食べていると、テレビが正午を報せ、トップニュースはチリの落盤事故被害者救出のニュースであった。大きく報道していて、店内の客はみんな食い入るように見つめていた。

 ほどなく新聞記者さんも合流、テレビ局記者からも連絡がメンバーに入った。

 さて、いきますか。

 守衛さんからICカードを受け取り、建物に入って、会議室っぽいところへ通され、しばし待たされる。

 で、担当者が現れた。

 私たちに与えられた時間は30分。メンバーが淡々とこちらの要望を述べるが、付き添いの職員さんは腕時計を指して急かすのだ。

 意見はおおむね言い終え、礼を言って辞する。

 はるばる秋田からやってきたものの、役人さんたちがこちらの言い分にどれだけ耳を傾けてくれるか、今の時点では不透明だが、やれることはやっておかないとね。

 帰りは私が途中から運転を引き受けた。道の駅へ着いたときは真っ暗。

 夕方のニュースでは、なかなか良心的な扱いでした。おわり。