震えるほどの本
新年最初のエントリーは書評。以前読んで、寒けがするほど衝撃を受けた三冊を紹介します。
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- 作者: 福岡賢正
- 出版社/メーカー: 葦書房
- 発売日: 1996/05
- メディア: 単行本
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- 作者: 松下竜一,『松下竜一その仕事』刊行委員会
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2000/01
- メディア: 単行本
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当時の関係者――家族・運動の仲間・全国の有志・離れて行った仲間も含め、建設省側の当時の担当者にも談話をもらい、芸術作品のような文体で、蜂起から落城までをつづる。
この本も、まさにクラクラする思いで読んだ。文章が神がかっている…。ある尊敬するジャーナリストT氏をして「尊敬している」と言わしめるほど。読んでよかった、この本に出会えてよかったとは思うが、この領域に私が達することは、金輪際、不可能だなと言わざるをえない。著者と親交のあった俳優・緒形拳は、本作の映画化を目指していたそうだが、当人の死去によって幻となった。なお、書籍はちくま文庫版を取り寄せましたが、ここでは河出書房新社版を紹介します。
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- 作者: 和賀正樹
- 出版社/メーカー: はる書房
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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下地になっているのは『週刊金曜日ルポルタージュ大賞報道文学賞』受賞の中編ルポで、これは読んでいたが、あの悪名高い「苫田ダム」問題の追加取材をおこなって一冊の本にまとめられていたことを、迂闊にも知らなかった。刊行は2001年12月。俺は何をやっていたのか、これを真っ先に読むべきじゃなかったか…。
これまた寒けを通り越して、めまいがするほどの本。活字を追うごとに、ページをめくるごとに、自分の筆力・取材力・センスの無さを思い知らされる。著者はわたしより10ほど年上に過ぎないのに、この途方もない実力の差は絶望的。これほどの着眼点や文章力がありながら、著者が出している本はこれと、あと薄そうなのが一冊だけっぽい。なぜ?
というわけで、2010年もよろしくおねがいします。