歯医者のこと 歯列矯正を決意

 きょうも歯医者。ルートプレイニング2回目だった。

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 さて歯医者シリーズ2回目。P医者にて親不知を抜歯し、虫歯の治療も済んで、ある決意を医者へ切り出した。

 「歯並びを矯正してください」

 「え…矯正? うーん、うーん」

 医者は生返事だった。そこのP歯科医では、矯正はやってはいるものの、本業ではなかったのである。盛岡から月に一回か二回、専門医が出張してあたっているだけ。月1か2では、私としてはどうにもならないのであった。

 私の歯並びは、実はかなりヒドイものだった。上も下もガタガタ。まるで猪のような、お化けというか怪獣みたいな感じ。

 食事をするときも、口の中を噛み切って血だらけになることがしょっちゅう。慌てずゆっくり噛めばいいのだが、急いでいたり空腹のときなんか口いっぱいに頬張る癖が、いまでも抜けない。

 なにより、見た目が悪い。営業マンとしては、相手に与える感情がよろしいわけがないのである。

 でも、若いころから調べた歯列矯正のコスト。保険が効かないため、全額自己負担なのだ。幅があるが、だいたい100万円はかかるらしいのである。また時間もえらいかかる。2〜3年がザラとか。

 もともと臆病に優柔不断ときたもんで、30近くになるまで、そんな次第で矯正は延ばし延ばしできてしまったわけ。

 それを、やっと決心して歯医者に持ちかけたのに、P医者は、どうもやりたくないらしい。大人相手だからかもしれない。

 行きつけの歯医者じゃどうにもならないとわかり、どうするかなーと悩んだ結果、別の歯医者へ行くことにした。29歳間近の冬のことである。

 そういうわけで、同じ地元にて矯正歯科の看板を掲げていたQ医者へ、初めて行ったのである。

 これが、足かけ13年にわたるQ医者との付き合いの始まりであった。