求釈明ですか

 裁判てのは一般人になじみが薄い。アメリカあたりは訴訟大国と呼ばれるほど裁判沙汰が多いとかって聞いたけど、法律が隅々まで完備されている日本では、私たちにとって裁判所なんて、近くて遠い存在なのだ。

 そんな訴訟小国?ニッポンの国民のひとりである私が、ある件で原告となって3ヶ月が経つ。

 なんか被告から求釈明なんたらというのが送られてきた。

 弁護士先生らの話では、これは異例らしい。ある先生によれば子どものケンカみたいなもの、議論に値しないんだと。

 とはいえ、裁判にうとい私にとっては、まがまがしい雰囲気が漂う紙片なので、一応読んでみた。

 なんと私が関係した箇所にもイチャモンが付けられていたのである。怖い怖い。

 しかし、その内容たるや――。

 「はあ?」って感じなのだよね。ちょっと調べればわかること。

 いや、これはもしや、私のような素人に想像もつかない高次元の戦略、なにかの罠かとさえ思った。

 まあ回答はいつでも用意できるんですけどね。

 総選挙も近い。わが祖国・日本はどんな道をたどるのだろう。

追記

 いちおう初歩的な点だけさらっておこうと思い、検索してみつけた「教えて!goo」の該当質問から(読みやすく改行など修正)。

 文理にしたがって理解できない主張というか,意味不明の主張をしてきた場合,原告の主張の主旨を求釈明の申立書に対する原告の応答で明らかにさせた上,これに対する認否をするのも手ですが,明らかに,主要事実と関連性のない,というか,それさえも全く判別不能のレベルの主張の場合,原告訴状の第1項の1行目乃至10行目の事実については,意味不明のため認否を留保するか,争う,とでもしておけばよいのでは。
 そもそも,原告に主張・立証責任のある事実について,訴状で主張していないか,していたとしても,一般人のレベルでは,訴状の記載が意味不明のため,これを把握することができない場合,不利益を被るのは結局,原告ということとなる。

 * * *

 求釈明書では、訴訟によほど無関係なことでない限り、何を聞いてもかまいません。
 ただ、求釈明は、原告が、被告が有利になるような証拠を持っているときに、それを提出させるなど、相手方にこちらに側に有利な事実の陳述や証拠の提出をさせるために行うものです。
 今回の場合、きちんとした主張・反論ができなくて不利になるのは原告です。それを、被告から、きちんと主張・反論しろと、原告に有利になるようなことについて求釈明するのは、やぶへびではないでしょうか?
 理解できない準備書面の内容を、裁判官が認めるとは思えませんから、理解できないものは、理解できないまま放置しておいた方がよいという場合もあると思います。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1917275.html

 これは、被告、つまり訴えられた側による「原告側の訴状(主張)が粗雑で意味不明なので、求釈明してもよいか?」という質問に対する答えなので、私が関わっている件における、相手側の論理を知る上で、大いに参考になった。

 ほう、つまり被告側は、私たちの主張=訴状が支離滅裂の意味不明だと言うわけか。だから求釈明書を送ってきたわけか。

 いちゃもんとしか思えないが、裁判官が認めたのであれば、受けて立つしかないのでは。

 それにしても興味深いのは太字にしたところ。

 一般に求釈明書は、被告側が、自分らが有利になると判断した場合に出すものらしい。うっかりするとヤブヘビになりかねないそうだが、私たちの場合、被告側はいったい何を考えて求釈明書を出したのだろう?

 私が担当した箇所も、2点、釈明を求められている。こちとら証拠そろえて「釈明」するのはいつでもOKなわけで、相手側にとってヤブヘビになっちゃうんじゃないかとしか思えない。ホントにいいのか?と。

 それとも、私のようなド素人どころか練達の弁護士さんらでさえ見抜けない、高度な戦略なのだろうか。

 不気味である。