何を知りたいのですか?

 決算の仕事がどうやら一段落ついた。毎年のことながら、この時節は胃が痛くなる。解放されたいと思うこともしばしば。

 不況のあおりでウチの職場もヒイヒイ言っているが、どうにか今期も持ちこたえられたようだ。田舎の零細企業は、安定しているようで案外もろい。それでいて田舎特有のしがらみや世間体もあって、やばくなったらさっさと店をたたむ、なんてことはできないのだ。

 でもいつかは、やめることになろうが。せめてそれが夜逃げでないことを祈ろう。いや黒字ですけどね、ウチの会社は。

 * * *

 村長さんがこんなことを言っています。リンク先も含め、長い引用は避けておく。

 この事業については、国土交通省も説明してきたであろうし、公開講座なんかも開いて、住民説明もし、情報公開もしてきたはずなのですが、どうしたんでしょうか。
 * * *
 事業者も、そうしたことを念頭に置いて、しっかり河川のあり方、管理、治水、利水、将来にわたった河川整備のあり方を、住民にしっかりと公開、説明する努力が必要であることを、ここのところの新聞報道などで改めて感じたところでした。
 * * *
 私としては、以前から、そうしたいろいろな意見があることは承知していたし、そのような動きのあることはどなたも存じていたであろうと思う、それぞれの考え方はあるのは当然であろうと思っている。しかし、そのことに対し、事業者はよりていねいに説明する必要があるように思えていたが、なかなかどうした訳かそうした機会を作れないでいるように思えてならない。
 当然、必要な手続きは踏んでいるであろうし、問題はないかも知れないが、なんとかそうした機会を作って欲しいと要望提案してきているのであるが、実現しないのが現実で歯がゆい思いをしている。
 事業者にその旨を提案すると、報道関係者にはしっかりと説明しているが、報道が成されないのが現状であるとのこと。これは一体どういうことなのでしょうか?

 村長さんは要するに、事業主側(国家)に対し、県民・国民への周知徹底をもっと図れと言いたいのでしょうか。

 では、具体的に事業のどういう部分を「よりていねいに説明する必要がある」と言うのでしょう。

 それは事業によるマイナス部分です。この事業を続けることで、このような害悪が発生するということ。それを、こともあろうに事業者に求めるのですか?

 実に画期的な提案ではありますが、事業を進めたい事業者が、事業のマイナス面を「よりていねいに説明」してくれると村長さんは本気でお思いなのでしょうか。

 おそらく村長さんは、事業者に期待しているのでしょう。「この事業を行えば村は発展し、県民も豊かになれ、バラ色の未来が約束される」といった夢物語のプレゼントを。でも残念ながら実態はそうではありません。事業者は知っているのです。事業の続行・終結により、村は寂びれ、人は去り、荒廃しきった人心と無残に破壊されつくした自然だけが残ることを。でもそんなこと、事業者が口に出して言えるわけないじゃありませんか。

 事業にともなうマイナス面をお知りになりたいなら、私でよければいつでも「よりていねいに説明」しにお邪魔します。掃いて捨てるほどありますから、いくらでもその実例を挙げることができます。それに対して正面から向き合うべきは、村長さんあなたです。

 私は予告します。事業者が絶対に説明せず、ひた隠しにしている、目をそむけ耳をふさぎたくなる実態、それに向き合う時が、遠からずあなたに訪れます。村長さんにその覚悟がおありかどうか。

 どうか、村を導く先を誤らぬように。