訴訟ですか

 結果は予想通りだったが、時期だけは予想外の早さであった。住民監査請求は呆気なく却下された。

 というわけで次なる一手は住民訴訟と決まっている。

 自分の仕事もなくなりつつあるな、そろそろ「やること」を見つけるかーと考えはじめていたら、今朝リーダーから連絡が。

 「訴状書いてくれ」

 え。

 「自然破壊の部分と治水の部分だけでいいから」

 はあ、まあ書けないことはないが…。

 期限は一週間。今月中に仕上げろとの指令だった。

 んーんーんー、訴訟は織り込み済みだが、その矢面に立たされるのは、ちょっと…。

 リーダーの言うとおりYの件をあたってみて、あちらの場合の訴状を見てみたが、かなり詳述している。タイプは似たところもあればまったく違うところもあるので、丸写しは不可能。いや可能だとしてもコピーはいかんよね。

 でもねえ、裁判となれば、わずかひとつの瑕疵でもだめなんだよね。だからといって抽象的・感覚的な文言で訴状を埋めては、テキトー扱いされてぽしゃってしまわれるのがオチ。

 つまり、詳細に、具体的に、論じなくてはいけない。一片のミスも許されない、資料もそろえないといけない。

 それではじめて相手とおなじ土俵で戦えるわけで。

 それでも裁判で勝てるとは限らないどころか、敗訴に終わる可能性の方が圧倒的に高かったりする。

 良心の存在か。