『蟹工船』リメイク?

 きのうの『朝日新聞』社会面の片隅に載っていた話題を見て驚いた。映画『蟹工船』がリメイクされるのだとか。11月30日にロケもはじまったのだそうだ。

 若い世代に脚光を浴びる昭和初期のプロレタリア文学蟹工船」(小林多喜二作)が映画(SABU監督)になる。栃木県足利市で30日、ロケが始まった。09年初夏の一般公開を目指す。 (後略)
http://www.asahi.com/national/update/1130/TKY200811300150.html

 SABU監督なんて聞いたことないけれど、どういうのだろうか…。

 9月26日の日記で書いたことだが、「仮に映画『蟹工船』がリメイクされたら、とてもこのような結末はありえまい」と述べたラストシーンは、日本海軍兵士によって、反乱を起こした漁夫・雑夫がことごとく銃殺されるという凄まじい結末だ。原作は、ただ連行されてゆくにとどまっていた。なにせ旧憲法下、暗黒の軍国主義真っ只中、言論統制激しい時代である。著者である小林多喜二も、自分が書いて発表できる、これがギリギリのところだっただろうし。

 しかし本当にリメイクされるとは。はたしてラストシーンはどうだろう。原作どおりに連行されて終わりなのか、それとも旧作に沿って、旧海軍なら絶対こうするであろう、反旗を揚げる運動の首謀者を皆殺し――旧日本軍兵士が日本人を殺戮する――シーンが織り込まれるのか?

 あまり気が進まないけれど、無事クランクアップし、無事公開されたら観にいこうと思う。原作も旧作も政治色は薄いから、『靖国YASUKUNI』みたく某衆議院議員に妨害される心配は少ないだろうからね。