きのこのやま

 ここ数日天気がよいのに、月曜日に母親を温泉に連れていった以外は、ほとんど外出できていない。正業がさして多忙でもないから、時間をみてどこかフィールド調査がてらキノコでも採ってきたいところだが、体のなまりと勘の鈍化で、あまり収穫は期待できない。

 自然保護指導員をやっていたころは、それが仕事であるからと山に入りこんでキノコを採りまくった。この時期どこの山ではどういうキノコが採れるか、すっかりわかってしまった。いまでも場所は憶えているから、きょうこれから夕方まで入り浸れば、10キロくらい収穫できそう。それほど今朝も天気がよい。

 倒木・朽木にびっしりとついたヒラタケ、ムキタケ、サワモダシ、アカキノコ、キクラゲ。素人にはなかなか見つけられないコナラ(シモフリシメジ)などなど。毒キノコのツキヨダケをうっかりシイタケと間違えて採取したこともあった。おふくろが指摘して食わずにすんだ。10年ほど前に深山で取ったヒラタケの味は、まさにキノコの味の骨頂であった。

 亜高山の紅葉が、まもなく里に下りてくる。ヤマブドウがたわわに実ってくる。アケビも紫に色づいてくる。

 山に行きたい。キノコを心ゆくまで採りまくりたい。