「平泉」世界遺産ならずか?

中尊寺参道入り口


 やれやれ…いま病院に行ってきたところ。

 駐車場を歩いていたら看板のカドに頭をぶつけてしまった。痛みと衝撃でうずくまってしまった。頭に手をやると…ち、血が出てるではないか。

 頭部出血だー生まれて初めてだわー。

 頭部からの出血って、血がダラダラとすごいんですよね。こりゃヤバイなんてもんじゃない、病院へ急がないと! と思ったが、夕方6時近い時刻、診療している医者なんていない。人生初の救急車呼ぶか? ともよぎったが、すぐ近くに医療生協の病院があるんで、そこへ行こうと思った。

 しかし…その前に大事な買い物を済ませたい。んー頭の出血、それほどでもないな……よし、様子を見てから行こう! とお目当ての花屋さんとスーパーへ。

 顔が血だらけの客なんて周囲がびっくりするだろうなと、なんだかおかしくなってきたが、血が顔面に垂れてくることはなかった。どうやら傷口は小さく、深くもないようだ。まあ一安心かな。長い黒髪も保護膜になっただろうし。

 買い物を済ませ、まずオフィスへ急ぎ、自宅から保険証のコピーをファクスしてもらい、歩いて病院へ行く。

 もちろん診療時間は過ぎていたが、いちおう救急患者ってことになろうし、受け付けを通して、お医者さんに診てもらうことができたです。

 「傷はたいしたことないが、きょうあす、髪を洗うのは控えて。出血したらガーゼで押さえておけばいい」とのこと。

 はあ。洗髪できないのはちょっとね。でもこの程度で済んだからよかったかも。

 それにしてもあのいましい看板、うろ覚えだけれど、以前にも頭をぶつけた記憶があるんだな。

 * * *

 さて本題。さきほどの「岩手日報」夕刊に目が釘付け。わが祖先・蝦夷の末裔藤原氏が興した平安都市・平泉が、世界遺産登録「延期」とのニュース。地元紙のを全文貼り付けます。

平泉に「登録延期」 世界遺産でイコモス評価

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス・本部パリ)は23日未明(日本時間)、世界遺産登録を目指す「平泉の文化遺産」について、価値が十分に立証されていないとし「登録延期」を勧告した。遺産登録は厳しい情勢となったが、昨年登録延期の勧告を受けながら逆転登録を果たした「石見銀山遺跡」(島根県)を教訓に巻き返しを図る。正式な登録の可否は、7月に開かれる世界遺産委員会で決まる。

 イコモスは、昨年8月に実施した現地調査の報告と、ワーキンググループによる推薦書の審査をまとめた評価報告書をユネスコ世界遺産センターに提出。その通知を受け、文化庁と県教委が23日、評価内容を発表した。

 イコモスの勧告は▽登録▽情報照会▽登録延期▽不登録―の4種類。平泉の評価は、昨年の「石見銀山遺跡」と同じ「登録延期」で、より綿密な調査や推薦書の本質的な改定を求めるものだ。

 平泉については昨年12月、イコモスから構成資産と浄土思想の関連が分かりにくいとして追加説明の要請を受けていた。世界遺産委員会でも「登録延期」が決議された場合は、推薦書を再提出し、再度イコモスの審査を受ける必要があり、再審査は早くても2年後になる。

 最終関門となる第32回ユネスコ世界遺産委員会は7月2―10日、カナダのケベックで開催。委員国21カ国(議長国・カナダ)による審議で、登録の可否が決まる。

 平泉の文化遺産は2001年、世界遺産暫定リストに登載。06年、「平泉―浄土思想を基調とする文化的景観」の名称で日本政府がユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出していた。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080523_1

 「岩手日報」記事はコピーできない仕様だったと思うけど、いつから解禁になったのだろう。それはともかく、懸念は当たったようです。

 詳しい内容はいずれ書くけれど、「世界遺産」登録の可否を審査する人たちは、やはり平泉を「ドレスデンコロッセオのレベルには程遠い」とでも判断したのだろうか。

 そうかもしれない。前にも書いたが、平泉の史跡・遺跡・寺院群はまだしも、これをとりまく平泉町の街並み自体、どこにでもありふれた小汚い街だから。町のど真ん中を送電線の鉄塔が貫き、国道を大型貨物車がガス撒き散らしながらブンブン飛ばし、鉛色の電信柱が林立し、電線が網の目のように空を汚し、日本国指定の史跡(遺跡ではない)を東北本線の鉄道がぶった切るなんて、ね。

 イコモスの提言はもちろん、そんな理由ではなかったけれど、これら普通の街並みの表れが、審査にプラスに働くわけがない。

 おととい、NHKのテレビ22時からの番組「その時歴史は動いた」で、この平泉が取りあげられていた。いい番組だった。でも、やはり世界遺産にはすんなり決まらなかった。

 昨年、石見銀山が、これと同じように「登録延期」を突きつけられながらも逆転登録したが、平泉には起死回生の策があるだろうか。画像は中尊寺参道の入り口。こないだ藤原まつりのとき撮影。