出張前なんで

カタクリ畑。O岳をバックに。


 いやな月末を迎え,しかも連休はほぼ仕事ざんまいなので,正業は微妙に多忙になってきている。

 昨夜仲間から連絡が入り,この週末に事業主が例の現場を見学させてくれるということで,ぜひ参加してほしいとのことだったが,あいにくその日は出張だったりする。事業主さんとしても休日にわれわれのようなうさん臭い連中の接待をさせられるのは嫌だろう――なんてことも仲間は話していた。

 見学か。

 事業主側がどういった仕事をなさっているか,きちんと手順を踏んだ正規な窓口による取材も,それなりに意味はあろう。私としても参加すべきだろう。でも正業をもつ身の哀しさ。しかもなんの下準備もなしでは,ろくに問題点を発見・指摘することは難しいと思う。いまのだらけた私ではとくに。

 なにせここんところほとんどまったくNの現場へ行っていない。出版はしたものの,あれで私の役目は終えた,みたいな気分にもなってしまったし。

 これは明らかによいことではない。

 私ももうすぐ40の大台に乗る。まだ体力は充分のつもりだが(運動不足ながら),私にできることはもうないのでは――と思うこともしばしば。きのう午後,地元の名士に自著の追加を所望され,すぐに届けたけれど,そういったことは迅速なんだなこれが。

 *

 世間は春だ。東北・秋田では一年でもっとも心躍る季節。おとといフィールドへ行ってみたら,待ち焦がれたカタクリの花畑が完成していた。きれいだった。

 青空の下,地面に寝転がってO岳をバックにカタクリを撮影し,ひらひらとおぼつかぬ様子で舞うギフチョウを追い,ウグイスやキジバトの声を賞味する。のんびりと自然を満喫する――。

 たしかにそれはいいが…なにか物足りない。いかんなあ。