大きな大きな分厚い壁

 この1日にM社へ送った企画書代わりのもくじとあとがきコピーの件について,果たして新作ルポが出版できるか否かの返事が,北上から帰ったばかりの自宅へ届いていた。

 要約するとこうなる。

① 90万円は負担が必要
② お金が用意できたとしても実現は微妙
③ 内容によっては訴訟を起こされる恐れあり
④ 自分で冊子にまとめてコツコツ売り歩いた方が無難

 とのことだった。つまり,企画出版はほぼ絶望的,自費出版する以外にないということだろう。

 うーん…そうか。ほかの出版社へあたってみることも考えているが…。

 自費ねえ…4年前のは40万円かかったっけ。それにくらべて90万はかなり高い。おそらくはふっかけたのだろう。

 こういった告発性・社会性の高いルポは,なるべくなら扱いたくないのだと思う。その気持ちはわからないでもない。私が版元だとしても,いかに火急の問題であろうと出来るなら避けたいという心理がきっと働くだろうから。

 M社は社会性の高い本を過去にいっぱい出していたが…M社の責任者も,以前みたくこういった問題に真正面から取り組む野心や挑戦心が薄れてきたのだろうか…なんて言っては酷かもだが。

 さて。どうしたものか。他の版元に企画を出すとか,だれかに相談することも考えられるが,責任はできるだけ自分ひとりでかぶりたい。とくに金銭面では。

 くそう。