「トトロの木」と電信柱
山形県某所に出張に行った帰り道、鮭川村の山間部で「トトロの木」なんていう看板をみつけた。
興味が湧いて看板の案内にしたがって行ってみたら、小さな集落の田んぼの中に、それらしいスギの古木が立っていた。画像がそれ。
角度によっては、頭の耳?と体の恰幅が、たしかに映画『となりのトトロ』のトトロを連想させる。
「小杉の大杉(曲川の大杉)」というのが正式な名前だそう。もともとは縁結びのスギで、樹齢1000年と推定され、周辺からは遺跡も発掘されたらしく、古くから神木として崇められていたとみられているとか。
でも、かたちがトトロに似ているというので、そっちの面でけっこうな評判らしい。きょうは連休明けの平日だけど、私が駐車場に戻ってくると、べつのペアが見物に来たところだった。
当初は田んぼの一角にあったらしいが、見物客が増えたことで、地元の有志が遊歩道や駐車場の整備を行ったのが数年前。
ヒトのためにヒトがする整備。それはいいけど、スギのための整備も怠らないでほしいし、周辺の景観にも配慮していただきたい。
例によって鉛色の電信柱が、遊歩道の木枠そばにデデンと立っていて、邪魔というか、景観を損ねることおびただしかった。住宅なんかないのに、なぜここまで電気が引かれているのやら。東北電力に撤去か地中化を陳情したら?
それはそうと、イヌタデの赤紫が鮮やかな晩秋の節、西日を浴びて温かそうなスギは、1000年の間、どんな光景を見守ってきたことだろう。