この夏

 こんなに暑い夏は何年ぶりだろう。秋田駒ケ岳に登った12年前の1998年の猛暑を憶えている。早い梅雨明けに強烈な日差しが連日降り注ぎ、田畑は水不足にさえおちいった。猛暑を記録した年はほかにもあるだろうが、わたしの記憶ではあれ以来だ。

 冷房にはあまり頼りたくない。夏は暑いものだし、日本の気候・風土にさからって体を人工的に冷やすのは、健康的とはいえないと思うからだ。でも10年ほど前に我が家にもエアコンを導入して、暑い日は普通に冷房を回すようになってしまった。仙台で学生をやっていたころは、あの猛暑のアパートで、扇風機だけでひと夏を過ごした俺なのに。

 お盆を迎えるころ、東北は短い夏が去って秋風が吹く。ところがお盆どころか20日を過ぎても、日中は30℃超え。秋はこないのか。

 きのう、盛岡から遠野へ出張に出かけた。途中でソフトクリームを食べたのはいいが、てんこ盛りのを平らげたところ、腹の具合がおかしくなった。腹が下るまではいかないが、どうも力が入らない。食欲もでない。

 昼食はざるそば。冷えた食べ物の2連である。当然、腹の調子は悪いまま。温かいものを食べるべきだったと後悔した。

 盛岡オフィスに戻ってからも、冷たい水を流し込む流し込む。これでは体調が回復するわけない。ちょっと動いたり緊張したり、炎天下に出るとたちまち噴き出る滝の汗。

 夕方になっても盛岡オフィス周辺は35℃。オフィス街ではない、どちらかというと郊外だけれど、国道駐車場で地面はアスファルト。西日と照り返しの熱射でクラクラした。

 夜に帰宅し、おふくろにお粥を所望した。胃腸が弱っていると見たからだ。帰る途中で温泉に立ち寄り、サウナに入ったら、そこでも凄い汗の量。こんなに余計に水分を摂っていたのかと。

 水分、塩分、ミネラル補給。お粥で胃腸を整え、熱いそば茶で水分を。なかなかぐっすり眠れた。今朝はさわやかな朝だった。