「ダム洪水」の典型例

 16日から18日にかけて東北北部を襲った秋雨前線による豪雨の被害は、25日の時点で、秋田だけで33億9400万円もの被害が判明しています(農業関連のみ。道路の損傷などの土木被害額は50億に達するらしい)。

 集中豪雨がくれば川があふれて洪水がおこる危険が増しますから、国家は河川に堤防やダムを造り、雨を川からあふれさせないように対策を講じました。上・中流部にダムや堰堤を築き、下流へ送る量を人為的に調節し、なおかつできるだけ早く海へ流すため、河岸や河底をコンクリートで固め、水路を直線化しました。

 その結果、洪水は減ったでしょうか。ダムや堤防は、洪水を防ぐために役に立っているでしょうか。

 寺田知事、人災を否定 森吉ダム放流が洪水招く?

 北秋田市阿仁前田地区などが豪雨で洪水に見舞われたことについて、寺田典城知事は25日の記者会見で「(上流の県営森吉ダムの放流による)『人災ではないか』という指摘があるが、現在のデータではそんなことはない」と述べた。

 同ダムの操作について寺田知事は「(貯留の)限界に達したので流入量分を放流した」と説明、「(人災を指摘する)声を真摯(しんし)に受け止め、誤解を招かないよう説明したい」と述べた。

 県河川砂防課によると、県は、流入量がダム操作規則で定めた毎秒82立方メートルを超えた17日午前10時に小又川への放流を開始。段階的に放流量を増やしながらも、一部を貯留し続けた。

 しかし、ダムの水位が、これ以上の貯水は危険とされる「サーチャージ水位」に達することが確実になった午後6時36分、流入と同じ量を放流する操作に取り掛かり、午後9時36分から翌18日朝まで流入イコール放流」の状態を続けた。
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20070926c

 『秋田魁新報』サイトからの転載です(太字処理は私)。ダムが放流したために洪水が起こった、もしくは被害が拡大したというケース、典型的な「ダム洪水」です。

 事情があってここでは詳細は触れないけれど、過去にもまったく同じ現象が、わが秋田にて起こっています。続報を注視したいところです。