虫だって生きている

 フィールドへ出かける機会が減ってしまったため,虫に身体を刺されることもめったになくなった。

 山野では,季節にもよるがアブや蚊やブユがいつも身から離れず,どんなに強風が吹いてもぴったりと寄り添って,まことにウザイったらなかった。ヤツらは隙あらば肌に留まり,ここぞとばかり生き血を吸いまくる。吸われたあとのかゆみもこれまたうざい。赤く腫れ上がり,うっ血してジンジンとむずがゆさ満開。かゆみ止めクリームを塗っても一時しのぎでしかなく,一週間やそこらはかゆみを我慢しながら腫れが引くのを待つだけ。

 蚊よりも困るのはブユ。ブユよりも悪質なのはアブ。さらに凶暴なのはハチ。最強はスズメバチか。刺されたら命にかかわるし。

 それがここ2〜3年,正業が多忙なため山野を歩くことがうんと減った。したがって虫に刺されることもなくなったのだが,家の周りにはいるんですね,やぶ蚊が。

 私はあまり蚊取り線香を炊かないので,うっかりすると刺されてしまうのだが,もうこの夏,5箇所ほど刺されてしまい,大事な血液を蚊の野郎に進呈してしもた。

 まあ蚊だしね。刺されても腫れはどうということはない。ブユにやられると,腫れなんて生やさしいものじゃない,あれは膨張だ。んで熱を帯びてかゆみのひどさはもう眠れなくなるほど。

 でも蚊ならまあ我慢できる。アブやハチみたく激痛が走ることもむろんなし。

 だからといって血を盗られるのはイヤなんで,しょうがなく電気蚊取りマットを炊きました。まあ一時間も炊いておけば室内の蚊は死ぬでしょ。

 でも蚊とかハエならまだしも,害虫ではないクモまで殺すのはしのびない。

 見た目は悪いから不快害虫なんていわれているけれど,クモは益虫なんですよね。

 もともと殺虫剤はハエやゴキブリ退治用。でも,クモとかは殺虫剤にからきし弱い生き物なのだ。殺すならあくまで害虫だけにして,クモなどの益虫には効力のない殺虫剤てないんだろうか。

 さていま私は盛岡のアパート。きょうはやや雨模様で,きのうまでの暑さも一段落。6月後半ですね。