きのう須川温泉へ

エゾエンゴサク


 いま北上のオフィスから。この大型連休はほとんど仕事ざんまい。行楽地は家族連れで賑わい,カップルやグループが楽しそうに休みを送っているのだろうが,独り身で予定のない私は毎年,こういう初夏を過ごしている。気楽でいいやね。

 北上は適度に暖かく,風もあまりない。展勝地という桜の名所があって,もう花見の季節は青森あたりだからここは散り果ててしまっただろうが,ピーク時には渋滞もひどかったようだ。まだ連休中だから夜桜でも見にいけ,とおふくろに言われたけど面倒くさい。

 そういえばきのう,ことしはじめて須川温泉に行ってきた。おふくろがうるさいから。雪は意外に多かったような。でも道中の道脇は少なかったな。温泉地ではまだ3メートルほど消え残っていた。天気もよかったのでいっぱい写真を撮ってきた。ふもとの新緑,中腹の芽吹き,亜高山の裸木。季節の変わり目は樹木の変遷が見られる。高原の空気がすがすがしかった。

 温泉の上手に「お花畑」と呼ばれる平原があり,高山植物はまだ花など咲かせていないが,なにか撮影できるかなと思って登ってみたところ,途中で息がきれて…。

 そうとうに運動不足が重なっている。これは由々しき事態だ。足が攣って息がかすれて。「ふかし湯」で引き返した。なんともはや…。この夏は4年ぶりに登山を再開しようと思っているけれど,これではそこいらの丘ですら登れないわ。

 薄くガスがかかっていて,鳥海山はおろか焼石岳すら望めなかった。足湯でくつろぐ観光客を遠めに撮影し,あと帰りにブナ林と雪原を撮る。

 H村の友人宅へ寄ってみた。なんか部落の神社のお祭りらしく,朝にAさんが包み物を持って歩いているのを見かけたから,もしや不在かなと思ったらやはりいなかった。裏手でヤギの親子が草を食んでいて,私が近づくと赤ちゃんヤギが喜んで飛んできた。でもおっかなびっくり。可愛いこと。

 このあたりはいまが春の花の季節。ちかいところにあるカタクリ群落がみごとに咲き誇っていた。おなじみキクザキイチゲニリンソウも。

 と,Sさんが戻っていて,おふくろと話し込んでいた。お祭りの仕事が面倒で,口実つくって逃げていたらしい。おふくろが須川で買ってきたお土産を渡す。

 裏手にあった草花のうち,ちょっと見かけない種類のがあったので,「これなんでしょう?」と聞いてみる。エゾエンゴサクというらしい(画像)。野鳥はともかく山野草には私は疎い。