中国・朝鮮の友人

仕事でよく会う中国人会社員に聞いてみた。私の実名を紙に書いて,中国読みでこの漢字はなんと読むのか,と。

「トォン・ドゥ・チャンです」

チャンかー,おれは向こうへ行けば「チャンさん」と呼ばれるのね。「この名前は中国でもよく使われていますよ」と彼は言った。まあアグネス=チャンとかいますしね。

言葉や文化・生活習慣・価値観がまるでちがう外国のひとと話すのは,実におもしろく有意義でためになる。地理的にも文化的にも歴史的にも深く長く付き合ってきた中国や朝鮮の方々と接触する機会があれば,それはプラスになることはあってもマイナス面なんてほとんどないはず。

しかしネットやブログでは,なにかといえば中国・朝鮮を批判・非難・こきおろし,中傷や悪罵の羅列になっているのが多すぎる。

いまにはじまったことではないけれど。

歴史的なしがらみが背景にあるのがその遠因なんだろうが,そのほとんどがかつての侵略戦争・植民地支配に端を発している。

日本は,比重からして加害者としての側面が大きいのだが,なんか昨今は被害者ヅラをして中国や朝鮮を攻撃する傾向が目立つ。

不思議なもので,やれ南京大虐殺だの三光だの平頂山だの731細菌戦部隊だのといった単語に過敏に反応し,これをでっちあげだ,日本はまちがっていない,悪いのは中国・朝鮮だ,という風潮がネット社会では多い多い。ここにいちいちあげつらうことはしないが。

自分らが住んでいる国を悪く言い,他国(とくに中国や朝鮮。アメリカ合州国は当てはまらない。笑)を賞賛することがいかにシンドイか。そんなことしたらただではすまない悪寒。

戦時下(日本政府は「戦争状態ではない」と言ってるがね)のイラクへ入国して武装グループに拉致された3名が,帰国後どういう扱いを受けたか,いまも受けているか。あとの方で拉致された2名のうちのひとりであるYさんの講演を聞いたことがあるけれど,日本人の国民性はもはや定向進化(退化?)の一途と言えそうな気が。

しかしあれだ,そもそもネットという通信・公開手段を得られたことで,日本人のマイナスの本性が現れたとも言えないこともあるまい。

できることなら,リアルで中国人や朝鮮人の友だちをつくってもらいたいものだ。外で会い,食事を交わし,カラオケで歌い,身の上相談や愚痴を語り合える仲間に,中国人や朝鮮人がふさわしくないとは思えないのに。

相互理解とかなんか言うが,実際にそれをする努力すら経ずに,彼・彼女らを悪しざまに言うことの愚かさに気づけないわけでもあるまい。それとも新聞や雑誌を読んだだけで天下国家を知り尽くしたつもりになった裸の王様気分から脱却できないのか。たかがちっぽけな独りが。

中国人や朝鮮人は,案外身近にいたりする。留学・就労・国際結婚etc…。普通に接して彼・彼女らのナマの声を聞いて,まずは知り合いからスタートし,友だちとして絆を深めていく。それをしたがらない理由なんてないと思うのだが。