日本のシンボルを殺して喰う

日本を象徴するものといえば,憲法に定められている恐れ多いアノ方ですが,ほかにもニッポンのシンボルといえそうなものがいくつかあります。

フジヤマ・ゲイシャとかじゃなく,まあ国旗・国歌もですが,「国鳥」というのがあるんです。これは世界各国にもあるそうです。

日本の国鳥=キジ(雉)ね。キジは「県の鳥」においても岩手県あたりが定めています。

みなさんキジって見たことありますか? ゲージじゃなく野生のものをです。案外多いのですよ,山地はもとより住宅地にもいたりします。「ケンケーン」と甲高い声で鳴き,すました面持ちのオスはなかなか気品が高く,よく剥製にされています。

そんなカッコいい野鳥だからこそ,1947年に日本鳥学会が日本の国のシンボル鳥に据えたのでしょうが,キジが国鳥になった経緯は戦後の日本を占領したGHPがからんでいるとか。

さてそのような気高く誇り高い野鳥を,わが日本はどう扱っているでしょう?

殖やして(繁殖),放して(放鳥),撃って(狩猟),喰って(食材)いるんですね。

尊敬する野鳥研究家によれば,国鳥を狩猟の対象にしている国は世界で日本だけなんだそうです。フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』にもそう書いてありました。

日本の象徴を鉄砲で撃ち殺して喰うなんてっ!

そんなわけでキジ鍋って美味しいですよね。国鳥はトキにすべきだったと思うのですが,あれはもう野生種が絶滅…。