「上畑温泉さわらび」

 仕事が休みだったので(休めるような立場でもないが)日中は休養。暑かったので昼寝はうたた寝程度だった。夕方からおふくろを連れて温泉に出かけた。隣りの増田町の狙半内地区の奥・上畑にある「さわらび」という温泉へ。上畑温泉に行くのはもう5年ぶりくらいだが「さわらび」ははじめてだ。けっこう有名なところです。増田町のそこは,「釣りキチ三平」というマンガで知られる矢口高雄さんの出身地に近いところだから。

 狙半内は増田町としてはまだ自然が残っている地区だが,狙半内川の支流はほぼすべて三面コンクリート張りの,たんなる“水路”と化している。周囲の山々も天然林は少なく,多くはスギ人工林に植え替えられた。秋になると紅葉どころか,黒々とした森が広がる,徹底して歪められた自然だ。

 それはともかく「さわらび」。完成して数年以上が経つはずだが,大きくて立派できれいな建物はがら空き。行楽期でもない平日だから無理もない。浴場も貸しきり状態だった。ところが温泉ときたら加水加熱加薬品だった。

 実はここの温泉,かなり前から涸れてるんです。かろうじて湧出している温泉に水を加えて温めて,来客に提供しているのである。なんせ施設建造前から「無駄だ」という声が町内あちこちから出ていたいわくつきの温泉なのだから。

 「さわらび」を造るのに当時のI町長はどこまでも着工にこだわってた。大赤字が見え見えなのに。それに対して真っ向から反対しなかったステキな町議会&町民。そんなもんさね。なおI町長はついせんだって,横手・平鹿郡市町村合併のゴタゴタで責任とって辞職しました。というか無能さをさらけだして町長の職を引きずり下ろされたといった方が正確だろう。引きずりおろした側もまた,そんなI氏を長いことリーダーにいただいていたステキな増田町民なわけだが。

 しかしあんなに薬臭い温泉もめずらしい。これがかの「釣りキチ三平」の里です。興味のある方ぜひ行ってみてください。