まるで春みたい

立春までまだ間があるというのにこの暖かさはなんだろう。県内の雪の少ないところではすでにバッケ(フキノトウ)が顔を出しはじめたそうだ。去年(2005〜06年)の冬はものすごいドカ雪で悲鳴をあげていたのに,去年は今年のぶんも降ったのか。この冬の積雪は豪雪地帯で知られるわが町でも30センチほど。やはりこれも温暖化のあらわれか。

M川のハクチョウたちが少ないのも気になる。シベリアから飛来する冬の使者,いつもの年なら100羽は超えているのに,ことしはおそらく30羽ほど。オナガガモの姿も半分くらいか。2007年は怪しげな天候で幕を明けたようだ。

それでもこの暖かさは歓迎の一言につきる。なにせ動きやすいし雪かきに労力を割かれることもない。車の運転も楽。このまま2月になり,3月をすぎ,4月を迎えられればいい。春が恋しいのは冬にドカ雪に襲われるからだが,いずれ雪国人は春が待ち遠しいものなのだ。

屋根で解けた雪の雫が落ちる音。空気が凍てつく深夜まで響き渡る。

NHK番組改変をめぐる控訴審判決

おとといのNHK受信料についての日記にからんで,NHKらを訴えていた「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」(バウネットジャパン)が勝訴という判決が下された。訴訟の中身についてはいちいち書かないでおくとして,判決では一審孫請け製作会社のみの賠償責任を,二審では本丸NHKにも連帯して負わせた点が注目に値しようか。

教育放送のETV2001は視聴率が1%ほどのとるに足らぬ番組なのだが,放送前から大きな話題になっていた。番組はバウネットジャパンの期待していたのとは大きく歪められ,その説明責任をNHKが果たさなかったことが原告勝訴判決の基盤になっているようだけれど,日本の戦争責任を認めたがらない主流がNHKに横槍をいれ,これが明るみになったのが,政治家の番組制作介入,あの「番組改変問題」であった。のちに日本国総理大臣となる安倍サンらがNHK幹部を呼びつけ,番組内容を説明させ,これを変えさせた。

裁判長は「NHKは、番組制作担当者の制作方針を離れてまで、国会議員などの発言を必要以上に忖度(そんたく)し、あたりさわりのないように番組を改変した」(asahi.comより)と指摘した。「国会議員」の介入を認定したわけだ。

この騒動が明るみになったとき,ネット世論調査では,問題をスクープした朝日新聞を「間違っている」と判定した数が圧倒的に多かった。おそらくいま調査しても大して変わるまい。そういう流れ――政府は正しい。政府を批判するのは間違い――という方向性が顕著になりだしたのがあのころだったような気がする。

控訴審判決は一審よりも踏み込んだ判決となっている。だから裁判長は叩かれるだろう。誇り高き日本皇軍の,ありもしない性暴力を糾弾する団体を勝たせるとはなにごとか,と。なんの拘束力もない裁判ショーで天皇の責任を問うなんて非常識にもほどがあるというわけだ。

NHK側は無論上告するだろう。私もぜひ上告してほしいと思う。最高裁の判断を知りたいから。

おそらく原告逆転敗訴になるだろう。