被取材

binzui2006-08-21

4年ぶりにM紙記者と対面し,先般に出版した本についてあれこれ取材を受けた。記者さんはもう定年を迎えていて退職世代になっているのだが,定年後も嘱託という形で社内にとどまっているのだという。その記者の報道は得ダネを放つという派手なものではないが,秋田のお祭りの光景の写真が全国版に載ることも多いから,目のつけどころやジャーナリストとしての腕前はそうとうに年季と経験がつまれているのだろう。

「前線の記者が取材して,まず原稿を書くと,それをまずサブキャップに目を通してもらい,記事の内容についてあれこれ質問を受ける。それに答えられないと取材が不充分ということになる。サブキャップがOKをすれば,サブキャップはキャップに記事をチェックしてもらう。これでまた関門を越えれば,その次はデスク――という具合に,取材して原稿を起こして記事化するまで,幾重ものチェックを受ける段取りになっていて,大変な手間暇がかかる仕組みになっている。非効率的かもしれないが,各種チェックは流れ作業に近くなっているし,そもそもそこまでしないと信用できる紙面はつくれない」

M紙記者は雑談の中でこう聞かせてくれた。「記者の方が取材で得られた内容のうち,記事となって読者に提供されるのは,全体の何割くらい?」と答えると「そうですね,2割といったところでしょうか」とも。

秋田ではこの春に,県北のある町でいやな事件が起こり,県南に拠点をかまえる記者さんも後方支援の形でいろいろ手伝わされたという。年齢からして前線にでるのはしんどかろうが,記事はたしかに信用がおけるし,密度もかなり濃いものがある。会社としても引退させるにはもったいないから,もうちょっと活躍してもらおうということになったのだろう。俺もがんばらねば。

さて…これで拙著を取り上げてくれる新聞は3社か。写真はきのう届いたワサビ。うまかったー。